偶然の恵比寿

恵比寿の弁護士 藥師神 豪祐のブログ

ソフトロー

■文言と解釈

・国や地方公共団体が定めたルール(実定法と呼ばれたりする)を扱うのが法律実務家のお仕事の中心になっている。と聞いている。

・ルールがある。ルールに事実をあてはめる。ルールに書かれている法的効果が発生する。国家がそれを最後の最後には執行する。そして、ルールは文字でできている。

・法令の文言から一義的に解釈が定まらない場合も当然ある。そのような場合には、法解釈という試みの中で、「妥当な結論」に向けた微調整が行われる。そこでは、起草者の意図・沿革、利益衡量、体系的整合性といった様々な武器が持ち出される。時には、より上位のルールである憲法を持ち出して、ルール自体に異議を唱える場合もある。比較法といって、海外ではこうなっていてこういう理由でうまくいっている、という話を持ち出すこともある。ビジネスの見立てと同様。思考空間を回していく過程に一歩目の誠実さが宿る。

・言葉で書かれている以上、解釈の「余地」がある。「余地」がもたらす機能は、「妥当な結論」に至るためには欠かせない場合もある。解釈が一義的に定まらないことは必ずしもマイナスではない。

・もっとも、ルールがあまりにも曖昧だと弊害が起きるのはご想像のとおり。例えば新規事業を起こそうと考えている起業者からすると、「これもダメなんじゃないか」「あれもダメなんじゃないか」と疑心暗鬼になって萎縮してしまう。そんなわけで予測可能性の確保は重要な課題になる。

 

■グレーゾーン解消

・「予測可能性の確保」という最重要課題。これには当然ながら、歴史の中で様々な手当てがなされている。

・新規事業に関していうと、例えばノーアクションレターという制度がある。事業者の行為が規制対象となるかについて予め照会すると、法令を所管する官庁が規制対象か否かについて回答してくれる制度だ。

・使い勝手があまりよくなかったので、平成26年にグレーゾーン解消制度、企業実証特例制度という制度も創設されている。いずれも新規事業の促進そのものを目的とした制度(根拠法令は、その名も産業競争力強化法)で、後者はなんと、新規事業が規制対象となってしまう場合に、安全確保などの措置をとることを条件に、やっていいよと特例を設ける制度になっている。

・ぱっと見ると、ノーアクションレターとグレーゾーン解消制度は似ている。厳密にいうと、前者は照会の対象となる法令に制限があるという違いはある。もっとも、新規事業を行うにあたり萎縮させないようにするという点で趣旨を一にする。

・ではなぜノーアクションレターがあるのに別の制度ができたか、というと、政権が飛ばす矢が2つでなくて3つである必要があったのは以前の記事の通りだが、他にも理由がある。

ノーアクションレターは、規制当局に対して照会する制度になっているのに対し、グレーゾーン解消制度は、事業所管大臣を通して照会するという制度になっている。法律実務家の中では、この違いはさすがに大きいよね、という認識がある。規制当局がNOを突きつける論理や怪しい迫力を過剰に蓄えていることは、誰もが積み上げてきた経験則になっている(もちろんそうすることが役割なのでそれでいい)。

・ちなみに、賞金付ゲーム大会についての問合せを人類史上初行ったと主張する者がいるとする。その場合おそらく、①ノーアクションレターを用いていること、②照会の前提としている事実が一般的ではないこと、からして、法律実務家からするとハテナしか浮かばない内容になっているはずだ。あくまでも照会の前提として述べた事実を基にした回答しか得られない(また、「ノーアクションレターの公表を受けて賞金制度を変えた大会がある」とまで言っているとすれば、以前から当局と折衝しながら動いてきた業界全体に対する冒涜であろう)。

・グレーゾーン解消制度は、事業を所管する官庁が、規制当局との間に入る形になるので、この国の産業全体において前向きなものとなりやすい。さらに、企業実証特例制度とのリンクまでついている。うまくいけばとっても素敵な制度となるだろう。

 

■ソフトロー

・実定法と言い換えた、国や地方公共団体が定めたルールは、ハードローとも呼ばれている。これに対し、ソフトローという概念がある。が、ここで紙面は途切れている…。

サッカー仲介人になるには

Jリーグ選手の仲介人になるには

・仲介人とは何か。FIFAの決定に基づき平成27年3月末にこれまであった「選手エージェント制度」が廃止され、翌月から新たな制度「仲介人制度」が導入された。ライセンスを受けるのではなく登録型の制度に切り替わった。事前規制型から事後調整型の司法制度改革のようですね。違うか。

・私は年初に祈りました。仲介人になりたい。どうするか。いつでも問題を解消するのは「人」。ということで、アカデミーなどの運営をしている方につないで頂きました。すぐに見つかりました。業界は狭い。そして念願の仲介人とご対面。

・ちなみに私は、テニスで有名なIMGアカデミーの設立のキッカケが、「マコーマックさんという弁護士が友達のプロゴルファーの移籍を手伝った」という話が大好き。お会いした仲介人から聞いたエピソードはとても似ていた。最初は友人を移籍させたのがきっかけだったそうだ。人生をつくるのも「人」だ。ああ。

・①仲介人をやっている組織に入る。②二人か三人でチームを組んで仲介人をやるチームをつくる。③個人でやる。という形になっているそうだ。まあそれ以外ないよね。ということが分かったのでチームに入れて頂くことに。チームでやっているところは一人だけが仲介人登録しているというパターンが多い。そんなわけで正確には、ここで私が話をしたのはJFAに登録されている仲介人ではない。

・それからは仲介人お仕事の関係で色々な方に出会える。もうそれは系を見抜けないカオスに達しました。

・新規選手の発掘。ここが出来るといいのだがリソースが足りていない。方法は簡単。①選手と契約する。②クラブから電話がかかってくるのを待つ。新規の開拓はこんな過程。クラブが選手に「代理人ついてる?」と聞く。そして電話がかかってくる。それとあとはもうあれだ。なんであれWyscoutという魔法の言葉で検索。

 

■サッカー選手と契約

・クラブと選手は、日本サッカー協会選手契約書をベースに契約を結ぶ。整理すべき権利は大きく二つある。一つは、チームの選手として登録する権利。もう一つは、経済的な権利(肖像権や移籍金を獲得する権利)。
・選手の肖像権に関しては、Jリーグ規約と選手契約書に規定がある。包括的使用はJリーグに、それ以外での特定の選手の肖像を利用した商品化についてはクラブが権利を保有する。という整理がなされている(ちなみにプロ野球では、かつては球団が肖像権を握っていたが、肖像権の包括的使用については選手会が管理するようになった。だったと思う)。

・契約期間は3年か1年が多い。3年契約の場合もシーズンが終わった段階で契約を結び直したりする。この辺りはタレントさんやアイドルさんと同じような契約になっている。肖像権の価値を高めることを目指す個人事業主、という整理もできそう。まあ意味はないか。なんであろうとどこで戦っていようと、自分自身と闘っている人が美しい。競技面で肖像権の価値が高まっていくということになるので、ヌルヌルはしていない。お金は評価として後からついてくる。それだけは間違いない。どんな仕事でもそう。

・選手とクラブの契約は、ベースを抑えれば、特約はそこそこ柔軟に。海外移籍を目指す選手は、移籍金設定を国内移籍と海外移籍で別の定めをすることも当然にある。契約時に定めた出場率に達しなかった場合に移籍を拒めない条項や、2部に落ちたら移籍を認めるなどの条項をつけることもある。私が別の仕事でやっているeスポーツチームと選手の契約や、アイドル運営事業者さんとアイドルさんとの契約書もこんな感じでやっている。意外とシナジーある。セカンドキャリア開拓のヒントになると勝手に思い込んでいる。他の個人競技のプロスポーツ選手の方々との仕事も当然示唆に富み富み。

 

■移籍金、クラブの経営難

・07年のリーマンショックの後あたりから、FFP構想というものが始まった。経営難に陥るクラブが増えたので財政基盤をちゃんとしようねという構想(ちなみにJリーグクラブライセンス制度には、顧問弁護士がいるとなお良し、みたいな規定もあります。チラッ)。オーナーが赤字補填をするのを制限するというもの。導入後、4、5年で赤字を10億ユーロ以上圧縮している。やったね。

FFP構想のデメリットとして、PSGやシティのような革新が起きなくなってしまうという点がある。そこで、15年に少しテコ入れがされた。投資計画と収支の見通しやそれに付随する諸々(つまりはビジネスプランですね)を提出して、そのプランがマトモであれば、それを守っている限り短期的な赤字は許す、という例外が設けられた。たぶん。
FIFAは移籍の流動化も目指した。以前の制度では、契約満了後の選手の移籍でも移籍金が発生していた。09年11月からは、契約満了後の選手は、フリートランスファーできるようになった。移籍の流動化は進んだ。が、弊害も。どこにも辿り着けない選手が増えたり、移籍金の生じる国内移籍は減った。フリーの選手の情報が価値を持つようになった。と言われている。中東やMLSといった選択肢が増え、サッカー後進国のレベルが上がったり、選手寿命が延びているのは素敵なことかもしれない。

・まあ、なんであれ清濁の清だけは取り出せません。何事もキーワードは①全体最適と②持続性なんじゃないかと思っています。どんな企業活動も同じで、顧客、株主価値、従業員の士気、それぞれを…。あちらを立てればこちらが…を解消する。大学でゲーム理論を専攻していたのがここに来て少し示唆を。

・移籍金については、スペインやポルトガルでは、選手獲得における投資ファンド利用がブームになった。クラブとファンドが移籍金を出し合って高額な選手を獲得し、当該選手を売却した時の売却益を分け合う。普通にいわゆるファンドによる投資ですね。まさに商品化され市場は活性化しました。しかし、残高が増えるのは代理人やファンドという第三者。業界やクラブに落ちない。なので、共同保有は禁止された。みたいな話も。ただし、このファンド利用によってスペインは2強から3強になれたよね。とも言われている(ちなみに投資ファンドが絡まなくなったかというとそんなことはなく、選手獲得時の貸付からのゴニョゴニョという形になったとか)。何事も清濁アリ。

・みたいなこともあって、FIFAは選手移籍の際の代理人の取り分を公表させるようになった。そんなわけでJリーグについても公表されている(これを見ると「どの選手に仲介人がついているか」が分かるので、大変貴重で本質的な資料になっている)。もうこれどこが話の本筋か分からないな…。

 

■なんにせよ試行錯誤

J3が生まれたのも、12年にJ2とJFL入れ替え戦を初めてやって(J2が22チームになったらやるという制度になっていた)、負けてJ2から降格したチームがJリーグ退会となったのがキッカケだった。よく仕事でもうちの弁護士に言ったりするのですが、「予測できたマイナスにうろたえるのは明らかにおかしい。ああなるほど、こっちのルートにいったか。というだけの話。当初の方針を貫くだけですよね。最初にこの決断をした時に、どういう心算だったの?」という話ですね。そうですね。当初の見通しがなかったら困りますね。

・「取り止めなし、結論なし」という世界そのもの。命そのもののようなブログになりました。さようなら。

SPK

■学生団体

・週末、大学の時の仲間たちとのちょっとした同窓会があった。大学に入ったのは03年。その翌年に設立した学生団体。それの同窓会。ちなみに当該団体はまだ存続している。

・その団体のビジネスモデルは、大学生と大手出版社をつなげて(創作物と)印税を発生させること。おそらく今もそれほど変わっていない範囲で活動している。ものと思われる。

・社会的な意義のあることをやろうよ。これが個性も背景も異なる創設メンバーに一致する思惑だった。背景といっても当時19歳や20歳で深い何かがあったわけではないが、個性は広かった。

・いずれにせよ信念の下に動いていた。お金もネットワークもない若者には当然、様々な困難があった。いつも何かが足りなかった。しかしいつも誰かと出会って足りないものを補っていった。解決と発展をもたらすのは、決まって新たに出てくる人間だった。

・今でも利益という利益が上がらないような体制で続いている。印税の取り分を上げることは容易だし、ブランドを毀損するおそれもほぼ考えられないが、それもしていないようだ。

・なかったものが生まれて、何かが残る。シンプルだけど生命活動そのもの。

 

・12年が経ち干支が戻っている。

・当時際立っていたのは、堀江貴文さん(私たちの12個上)やmixiの笠原さん。いずれも東大の先輩方。彼らに何らかのタイミングで面識を持つことが、当時の学生起業界隈において、現在位置を確認するちょっとした手がかりだった。かもしれない。ブロガーだったはあちゅうさん(1つか2つ歳下)にまだ相方がいた時代。

・今でも純粋に堀江貴文さんのファン。あの時代は堀江さんの12年前だったのか。

・サッカー関連事業についての立ち回りの中で、いわゆる黄金世代(79年生まれ)付近の方々に最近少しだけお世話になっている。別の文脈にいると思われる彼らが、堀江さんの新書『99%の会社はいらない』に言及していたのも印象的。

 

・05年。友人と二人で茗荷谷のジョナサンで深夜に翌日の試験のための勉強をしていた。既に留学と留年を達成した太った友人がそれを邪魔しに来た。彼が読んでいたデスノート(当時まだ連載中だった)を 取るとSPKという組織が出てきた。あれ、これは我々の団体の略称にならんかね。と気づいたのが自分が残せた唯一のもの。

 

砂の城

吉井和哉さんにハマったのは09年あたり。それ以来、毎年2回程度はライヴを観に行っていた。イエモンは苦手だった。最盛期だった中学高校の時からLUNA SEA派だった。ナポリタンズ(ソロのバックバンドの名前)の演奏を背に歌う吉井和哉さんが好きだった。イエモンの曲もライヴに行けば3曲は聴けた。それでも『砂の塔』『ALRIGHT』を聴いてしまった。全てが詰め込まれていた。やっぱり人なんだな。選び取ったものをつないで生きていきたい。小学生みたいな感想だけど。

採用その3

・弁護士の業界には「ノキ弁」というカッティングエッジな体系がある。

・ボスから軒先を借りる弁護士。

・事務所のスペース(軒先)を借り、その対価として経費を毎月納める。

・自分で外から持ってきた事件を行う場合には、売上の30%くらいを上納する。

・事務所の事件を渡された場合には、売上の60%くらいを上納する。

・確かに事務所運営の経費はたくさんかかる。確かに仕事を頂くのは大変。

・確かに自ら事務所を開設したら初期費用もそこそこの額になる。

・確かに合意内容によっては個人の仕事で事務員さんのお力を借りることができるのかもしれない。

・一種のシェアリングエコノミー。使えるスキマを根こそぎお金に換える発想には異論はない。大賛成。

・何より誰も損しない。そんな正論もあると思う。

・何より当事者の合意や納得があるはず。確かにそれが全て。それ以上の価値はない。

・とはいえ我々の魂に眠るカートコバーンも既にsomething in the wayと歌い出しているはず。

 

・納得はあるのか。なんというか、雇う側も儲かってないんでしょうね。。根は深い。

・報酬を与えていない相手をまともに育てるはずもないから影響も広い。

 

・弊所は来年の予算をそこそことってある。

・これだ!と思える相手が見つかるまで粘り強く採用活動を続ける予定。

・とはいえそろそろ心のどこかで気づいている。

・HR領域の市場規模がこれほどまで大きい理由は何か。

・顧問先と取引先にHR事業者が2社。目先でも実感している。極めて意義のある事業。

・奇跡を待つよりは動いてスキマをお金にした方が良いのかもしれない。

・しかし育てる気持ちが湧くイメージが湧かない。沸かない。責任、、とは。

・カントは括弧を着脱し、これを一貫して批判したニーチェは他者や所与という概念を忘れた。

・そして私はamor fatiとしてノキ弁を現状は彼岸に置く。

・私が仮にニーチェ的超人であればこれは維持されるし、カントであれば翌朝には脱ぎ捨てる可能性もある。

・なんであれもっと。おおらかな世界がいいな。。

3で押し通す私たちの予定

・出版社さんとお仕事をしていた時に「大きなメディアでまだほとんど取り上げられていないにも関わらず、異なる文脈の3人が同じことを話したトピック。これはすでに流行っている」という秘訣を頂いたことがある。

・20歳そこそこの私は嬉しそうにこれをこっそり持ち歩き世界を見るようにしていたものの、今思えばそれは多くのビジネスパーソンが持っている当然の前提だった。弁護士になってからは、マイナンバーの連載、区主催セミナーの講師のお仕事を頂いたのもそう。もちろんeスポーツも同様(eスポーツの看板を出した当時は梅原大吾という男以外に興味がなかった)。

 

・「合理的なビジネスパーソンの欲求は3つに分けられる」という枕を私はすでに3人から聞いている。おそらくVCの方々やその周囲の経営者が蓄積してきた経験則なのだろうと思う。

・①「女好きの人」②「お金が好きな人」③「技能向上や興味を追求したいオタクな人」。プラスαで別枠として「目立ちたい人」がいる。

・文字にするとなんだか大した話じゃないように思えるが、個人的ににはビジネスをする上で最も役に立っている指針がこれ。というか、優れた誰もが当然の前提としていた。麓にすぎなかった。何かをお願いするときには当然このうちのどれかを相手に渡す。そんなわけで「仕事を渡す」は役割を果たしやすい。

・世の中には暗黙の前提が多すぎて。「まだその話しているの?」と思われるとコミュニケーションコストを高く見積もられるのでどんどん不利になる。

・「性格が良い」「性格が悪い」みたいな言葉を使う世界観の人がいい歳になってまだいたりする。

・アンコントローラブルなものはいくらでもある。コントロールできるものの中で最善を尽くす。みたいな。必死に生きてきた人にとっては誰でも気づいているようなことを今さらトピックに出したり。

 

・まだそこにいるの?と思ったり。思われたり。その連続で入れ替わっていく。世界は広すぎてまだまだぐぬぬという思いをすることが多い。

・秩序が欲しければ3。矢も示している。きのことたけのこは握手しない。というわけで、キングダムとヴィンランド・サガに加え、センゴクに入りました。

採用その2

採用のためのメモ。現状、弊所は弁護士2名で行っているお仕事と、外部の弁護士と共同で行っているお仕事で回しています。

 

【仕事の中身】

・企業案件

顧問先、取引先からの受注が中心。

顧問契約は、月の稼働時間を定めた定額制。稼働時間に入りきらない案件発生(契約書作成、債権回収、株式発行のための株主総会、打合せの立会い等)があった場合に、タイムチャージまたは着手金・成功報酬での仕事が走る。率直に言えば、はみ出すことはあまりないので、特定の顧問先、取引先以外は代表が単独で処理し、ダブルチェックだけをサッと回すことが多い(採用メモ1で記載した通り、ダブルチェックを綿密にやらないと気が済まないので任せてもこちらの処理時間は変わらないため。そのうち仕事の振り方がうまくなることに期待)。

※顧問のご依頼を頂いた企業に対し、主任を別の弁護士にする旨告げると、何度か顧問の話が流れてしまったことがあったため、全て代表が主任となっています(忙しくて回らない時期でどうにもならなかったとはいえ、反省事案の一つです。その後、落ち着いた際に顧問を再びご依頼頂いたパターンもあり、色々と思うところがありました)。

顧問先、取引先からの企業訴訟案件の受任は月に4件〜6件程度(体感としては、この件数はそこそこ多い。後で記載する一般民事の訴訟案件もあるため、採用が急務になっている理由はここにある。現状、外の5、6年目の先生と共同受任とすることで対応している。当然ながら先輩にあたるため、学ぶことは多い)。

顧問先によっては「経営判断の相談」を受けることが中心の場合もある。経営者としての信頼を感じられると嬉しい。事務所は創業2年目ではあるものの、生まれてからの32年間の使い方こそが重要だったのだなとやはり思う。そういう意味では「社会人経験」は決定的に重要。基本的に弁護士業務はそれほど特殊なお仕事ではないので、全人格的能力が単に試されます。鍛えられます。他のお仕事でもおそらく同様(喋りや表現、演技が試される点で、よりシビアかもしれない)。とはいえ、「時間を売る」のみの仕事以外は、どんなお仕事でも全てこれに尽きる。と思う。一度事業を自分でしたことがある人は、「スピードこそ質」「行動こそ質」、ということを理解しているので、この点の理解について感謝されることが多い。

企業と企業をつなぐことのみを緩く依頼されている場合もある。週に1、2度はどこかの企業の人に付き添ってどこか別の企業を訪問している。多くの場合、代表が単においしいランチを無料で頂いて帰ってくるにすぎない。「自分が仕事していて気持ちいいと思える人」同士がつながって何が生まれるかを見るのは楽しい。少し経ってプレスリリースなどがあると、「これ、あの日のランチから生まれたやつ!」と思いながらシレッとtwitterでRTする。代表個人の喜びとしては極まるが、事務所への還元は間接的なものでしかない。

そんな活動の中で、代表が取ってきた、または作ってきたそこそこ大き目の仕事もある。これについては、規模感や専門性の高さによっては、代表と外の弁護士との共同受任で行う(規模感が大きすぎる場合は、巨大法律事務所に完全に渡すこともある。上記のご紹介ランチが発生する。金銭は発生しないが代表の満足感は高い。もっとも、巨大事務所の先生に弊所に参画して頂いて、うちで処理できるようになるのが目標。かもしれない)。規模感が大きすぎるときは、ガッツリ入るのではなく、代表が単にフラっと企画会議だけに参加したり、官庁とのやり取りについていったり書面を起案するだけの場合もある。

企業の法務部の外注も受けている。これはやや特殊業務かもしれない。日々の合意書や規約の修正や、外部の弁護士とのやり取りを行う。大きな組織の意思決定プロセスや、ボトルネック等に気づけるので、大きな組織に入ったことがない場合には勉強になるかもしれない。ただ、新規弁護士が加わった際にすぐにこちらの法務メーリングリストに加わることができるかといえば微妙かもしれない。

スポットの仕事は「賞金付きゲーム大会をしたいのですが、チームに入ってくれませんか」という電話が突然かかってくることが定期的にある。こちらは報酬が発生しない場合が多いので事務所としてはあまり関係ないかもしれない。

 

以上の通り、代表はふらふら外出していることが多い。が、お仕事しているので要注意。留意。

 

・その他の民事

セクハラ案件、離婚や男女トラブル、タレントさんの移籍案件は多いかもしれない。要は似た類型。なぜか女性からの依頼が多い。

例えばセクハラ案件は事案によってはそこそこの額になるので経営的にも重要。かもしれない。最後のそれはペイするお仕事とはいえない。ではあるが、業務拡張という点では実は重要。タレントさん、番組やイベントのスポンサーさんなど、お仕事の受け手と発注サイドにつくことがほとんど。

※改めて考えると、芸能事務所は役割としては代理人なので、そもそも弁護士と立ち位置が被っているのかもしれない(もちろん友好的にお仕事をさせていただいている事務所さんもある。むしろ、お世話になっている事務所さんもあれば、企画の立ち上げに加わっているケースさえある)。

学校系のトラブルも多い。セクハラ案件が中心。他にもいじめや転校についての事件であれば、弊所に実績があり適していると考えているので受任している。「弁護士としての経験」というよりは「これまでの人生で培った全人格的能力」で解決する要素が多い。解決済みの依頼者さんからの紹介も多いので、弊所には向いている分野になっている。地道に広まっているため、学校トラブルの分野は弊所のこの2年の大きな成果のひとつだと捉えている。

解雇(付随して残業代請求)も定期的に受任。弊所のウリとしているわけではないので、社会全体として本当に増えているのだと感じる。労働審判は労働事件専門事務所で働く代表の友人と共同で行うことも(今後は共同受任はもうないかもしれない)。

その他、交通事故は面白みがないのでほぼ受けていない。相談予約が発生した場合は、代表を除く弁護士で全て処理を行っている。個人破産はやっています。その他、定型的ないわゆる弁護士業務で弊所が受けないものは、年齢的に若手の先生に回すのは多少気がかりなのでほぼほぼ先輩弁護士に回している。わりと受任しない場合も多い。あまり忙しくなりすぎないようにしている(特に、スピードという本質的な質が落ちないように注意している)。

提携している事務所(10数年目の弁護士がお一人で経営されている事務所)からの仕事は、一般民事が多い。これは代表と当該先生の二人で行っている。代表に限らず、空いた時間はこういう形で修習同期でもよいので外の先生と仕事をすると、知見が広まって考え方も凝り固まらないのでよいのかなと。

 

・その他

弁護士の個人事件は、事務所の仕事が回る限り自由。許可を得る手続きは要らない。もちろん報告は必要。弊所の弁護士は国選を定期的に入れているので、手の空く時間はそこそこあるのかもしれない。

「①目標設定と②期限設定をして、PDCAを回す」というベタなことをキチンとしているので、何らかの意味での「発展」が起きるものと思います。先輩方が築いてきたブランドの幹、巨人の背中に乗るのは、経済的利益を得るためにも必須ですので、これもベタですが、クオリティも含む「品位」を最も大事にしています(逆にしょうもない「品位」はどうでもいいです。執務中は基本的にみんな私服です)。

歯止め制度

・将棋は、満23歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日までに四段に昇級できなければ奨励会を退会処分となる。…という手当。ボクシングにもあったはず。司法試験とかいう法曹選抜試験にもあったはず。向いていないのに深入りしないように、という手当(歯止め?)。

・サッカーではどうか。J3では、選手として継続していける制度がまともに整っているがゆえのジレンマ。J3。最低限生活できるだけのお金は貰えている。年俸200万円くらいの選手も非常に多い。財産の貯蓄は期待できない。ただただ選手として過ごしているだけでは、セカンドキャリアのための能力を身につけることも難しい。遠征は基本的に日帰り。自費で泊まる場合には帰りの交通費は出ないチームが多い。スタジアムからバスまで向かう際に着るスーツも自費。ただしJ2へ上がりたいための情熱は日々培われている。また、J1のアンダーチームのJ3参入により、注目度の高い試合が発生。そういった試合へ向けての選手たちの貪欲さは目を見張るものがある(J1の平均観客数はおよそ1万7600万人であるのに対し、J3では通常の試合では2000人程度。アンダーチームとのアウェイ戦の観客数は多く、通常の試合環境と全く異なる)。もちろん、「C契約(年俸上限480万円)からA契約(初年度のみ上限700万円)に移るとC契約には戻れない。」「4年目以降はC契約は結べない。」といった制度はあり。

・野球についてはよく知らない。プロの2リーグとは別に、広く実業団の野球の大会が整備されているという印象。そのため、働きながら野球を本気で続けることができる。働きながら本気で打ち込める。ようになっている気がする。

・テニス。スポンサードを受けている選手も、用具スポンサードが中心。専属契約(結果が報じられる際に「〇〇選手(〇〇社)」と付くアレ)であっても実は金銭はまったく貰えていないと聞くことも少なくない。その場合は、定期的にイベント等の仕事が与えられることが専属契約の中身になっている。もっとも、イベント等での活動はセカンドキャリアにつながり得ると考え、積極的に捉えている選手が多い印象。

 

・美術と音楽は国からエンドースされているが、映画はそうでもない。国立劇場はあるが国立映画館はない。…みたいな話も関係するのかな。

 

・「パネリスト」「登壇」という響き、悪くない。

あなたは世界が熱狂する「eスポーツ」のポテンシャルを知っているか?【前編】 | AdverTimes(アドタイ)

 

・法的論点は整理されているものの、解釈についてはまだまだ整理されているとは言えない。法律家が関与せずともうまくいくようにGL等が整えばよいなと思うが腰は重い。

(なお、消費者庁に対しノーアクションレターを用いても、一般的な解釈が引き出せるわけではない。)

・単純に「等身大の」シーンを開示して、関わる頭数を増やすしかないのかな。

・というところで、明日は私主催のゆるふわ飲み会。

スマホゲーム会社の社員さんたち、コンシューマゲーム会社の社員さんたち、プロゲーマー、プロゲームチームのスポンサー、声優さんたち、といった様々な角度の方々にお会いできる。ゆるゆると、練り練りしたい。

・価値が見出され、素敵なお仕事が生まれますように。