偶然の恵比寿

恵比寿の弁護士 藥師神 豪祐のブログ

採用その2

採用のためのメモ。現状、弊所は弁護士2名で行っているお仕事と、外部の弁護士と共同で行っているお仕事で回しています。

 

【仕事の中身】

・企業案件

顧問先、取引先からの受注が中心。

顧問契約は、月の稼働時間を定めた定額制。稼働時間に入りきらない案件発生(契約書作成、債権回収、株式発行のための株主総会、打合せの立会い等)があった場合に、タイムチャージまたは着手金・成功報酬での仕事が走る。率直に言えば、はみ出すことはあまりないので、特定の顧問先、取引先以外は代表が単独で処理し、ダブルチェックだけをサッと回すことが多い(採用メモ1で記載した通り、ダブルチェックを綿密にやらないと気が済まないので任せてもこちらの処理時間は変わらないため。そのうち仕事の振り方がうまくなることに期待)。

※顧問のご依頼を頂いた企業に対し、主任を別の弁護士にする旨告げると、何度か顧問の話が流れてしまったことがあったため、全て代表が主任となっています(忙しくて回らない時期でどうにもならなかったとはいえ、反省事案の一つです。その後、落ち着いた際に顧問を再びご依頼頂いたパターンもあり、色々と思うところがありました)。

顧問先、取引先からの企業訴訟案件の受任は月に4件〜6件程度(体感としては、この件数はそこそこ多い。後で記載する一般民事の訴訟案件もあるため、採用が急務になっている理由はここにある。現状、外の5、6年目の先生と共同受任とすることで対応している。当然ながら先輩にあたるため、学ぶことは多い)。

顧問先によっては「経営判断の相談」を受けることが中心の場合もある。経営者としての信頼を感じられると嬉しい。事務所は創業2年目ではあるものの、生まれてからの32年間の使い方こそが重要だったのだなとやはり思う。そういう意味では「社会人経験」は決定的に重要。基本的に弁護士業務はそれほど特殊なお仕事ではないので、全人格的能力が単に試されます。鍛えられます。他のお仕事でもおそらく同様(喋りや表現、演技が試される点で、よりシビアかもしれない)。とはいえ、「時間を売る」のみの仕事以外は、どんなお仕事でも全てこれに尽きる。と思う。一度事業を自分でしたことがある人は、「スピードこそ質」「行動こそ質」、ということを理解しているので、この点の理解について感謝されることが多い。

企業と企業をつなぐことのみを緩く依頼されている場合もある。週に1、2度はどこかの企業の人に付き添ってどこか別の企業を訪問している。多くの場合、代表が単においしいランチを無料で頂いて帰ってくるにすぎない。「自分が仕事していて気持ちいいと思える人」同士がつながって何が生まれるかを見るのは楽しい。少し経ってプレスリリースなどがあると、「これ、あの日のランチから生まれたやつ!」と思いながらシレッとtwitterでRTする。代表個人の喜びとしては極まるが、事務所への還元は間接的なものでしかない。

そんな活動の中で、代表が取ってきた、または作ってきたそこそこ大き目の仕事もある。これについては、規模感や専門性の高さによっては、代表と外の弁護士との共同受任で行う(規模感が大きすぎる場合は、巨大法律事務所に完全に渡すこともある。上記のご紹介ランチが発生する。金銭は発生しないが代表の満足感は高い。もっとも、巨大事務所の先生に弊所に参画して頂いて、うちで処理できるようになるのが目標。かもしれない)。規模感が大きすぎるときは、ガッツリ入るのではなく、代表が単にフラっと企画会議だけに参加したり、官庁とのやり取りについていったり書面を起案するだけの場合もある。

企業の法務部の外注も受けている。これはやや特殊業務かもしれない。日々の合意書や規約の修正や、外部の弁護士とのやり取りを行う。大きな組織の意思決定プロセスや、ボトルネック等に気づけるので、大きな組織に入ったことがない場合には勉強になるかもしれない。ただ、新規弁護士が加わった際にすぐにこちらの法務メーリングリストに加わることができるかといえば微妙かもしれない。

スポットの仕事は「賞金付きゲーム大会をしたいのですが、チームに入ってくれませんか」という電話が突然かかってくることが定期的にある。こちらは報酬が発生しない場合が多いので事務所としてはあまり関係ないかもしれない。

 

以上の通り、代表はふらふら外出していることが多い。が、お仕事しているので要注意。留意。

 

・その他の民事

セクハラ案件、離婚や男女トラブル、タレントさんの移籍案件は多いかもしれない。要は似た類型。なぜか女性からの依頼が多い。

例えばセクハラ案件は事案によってはそこそこの額になるので経営的にも重要。かもしれない。最後のそれはペイするお仕事とはいえない。ではあるが、業務拡張という点では実は重要。タレントさん、番組やイベントのスポンサーさんなど、お仕事の受け手と発注サイドにつくことがほとんど。

※改めて考えると、芸能事務所は役割としては代理人なので、そもそも弁護士と立ち位置が被っているのかもしれない(もちろん友好的にお仕事をさせていただいている事務所さんもある。むしろ、お世話になっている事務所さんもあれば、企画の立ち上げに加わっているケースさえある)。

学校系のトラブルも多い。セクハラ案件が中心。他にもいじめや転校についての事件であれば、弊所に実績があり適していると考えているので受任している。「弁護士としての経験」というよりは「これまでの人生で培った全人格的能力」で解決する要素が多い。解決済みの依頼者さんからの紹介も多いので、弊所には向いている分野になっている。地道に広まっているため、学校トラブルの分野は弊所のこの2年の大きな成果のひとつだと捉えている。

解雇(付随して残業代請求)も定期的に受任。弊所のウリとしているわけではないので、社会全体として本当に増えているのだと感じる。労働審判は労働事件専門事務所で働く代表の友人と共同で行うことも(今後は共同受任はもうないかもしれない)。

その他、交通事故は面白みがないのでほぼ受けていない。相談予約が発生した場合は、代表を除く弁護士で全て処理を行っている。個人破産はやっています。その他、定型的ないわゆる弁護士業務で弊所が受けないものは、年齢的に若手の先生に回すのは多少気がかりなのでほぼほぼ先輩弁護士に回している。わりと受任しない場合も多い。あまり忙しくなりすぎないようにしている(特に、スピードという本質的な質が落ちないように注意している)。

提携している事務所(10数年目の弁護士がお一人で経営されている事務所)からの仕事は、一般民事が多い。これは代表と当該先生の二人で行っている。代表に限らず、空いた時間はこういう形で修習同期でもよいので外の先生と仕事をすると、知見が広まって考え方も凝り固まらないのでよいのかなと。

 

・その他

弁護士の個人事件は、事務所の仕事が回る限り自由。許可を得る手続きは要らない。もちろん報告は必要。弊所の弁護士は国選を定期的に入れているので、手の空く時間はそこそこあるのかもしれない。

「①目標設定と②期限設定をして、PDCAを回す」というベタなことをキチンとしているので、何らかの意味での「発展」が起きるものと思います。先輩方が築いてきたブランドの幹、巨人の背中に乗るのは、経済的利益を得るためにも必須ですので、これもベタですが、クオリティも含む「品位」を最も大事にしています(逆にしょうもない「品位」はどうでもいいです。執務中は基本的にみんな私服です)。