偶然の恵比寿

恵比寿の弁護士 藥師神 豪祐のブログ

三月の恵比寿

近い未来に一緒に仕事をする若い弁護士さんたちに対して伝えたいことをなんとか言語化できないものかなと。noteを書こうと思うも、推敲する時間が無駄に思えたので書き下ろしていくスタイル。

うちのテーマはたぶんこんな感じ 

・むりをしない

・ちゃんと稼ぐ

・選択肢を増やす

・やりたいことを見つける

・譲れない領域をもつ

・自分の機嫌は自分でとる

たぶんこのあたりがfork law officeのテーマかなと思います。自営業者としてはこのテーマを毎日ぐるぐるさせていくのが王道になります。ベンチマークすべき同業者が見当たらず自分たちで模索することになるのがつらいですが、面白さでもあると思います。稼ぐという部分では、四大事務所の同い年くらい人たちと同程度には収入があります。これくらい稼いだらいいでしょというベンチマークにはなっているかもしれません。得意な分野でむりせず戦って価値提供していきましょう。

むりをしない

まず最初に言いたいのは、「むりをしない」ことです。アウトプットのクオリティに密接に関わるのがその理由です。やっぱり余裕のない状態では良い仕事はできないと思います。というわけで、真っ先に「むりをしない」を獲得してください。その上でちゃんと自分なりの価値提供の仕方を死ぬほど考えましょう。

選択肢を増やす

「社会が急激に変化していく」は、僕らのゲームの所与の前提です。これは動かせません。変わり行く世界の中で、自分がやがてなにに興味を惹かれるか、自分が得意な領域がどうなっていくかは正直わかりません。この「正直わかりません」も所与です。わからないまま進むしかないのですが、世の中が変化した先で、自分の手持ちの選択肢が狭いと詰むはずです。少なくとも幸福度の高い状態でいるのは難しいでしょう。そうすると、できるだけ選択肢を増やすポジションをとっておく必要があります。ここは別途深掘りします(自分の予測と、予測に対応する形でforkが仕込んでいることについてはまた別途)。

プロジェクトベースのお仕事

ところで、うちは「法務受託」が主なサービスと伝えていますが、プロジェクトベースのお仕事も当然あります。報酬のいただき方から言えば、受託のような月額課金制ではなくタイムチャージベースのお仕事になります。分かりやすいところで言えば「eスポーツリーグの立ち上げをするからちょっと入ってよ」みたいな依頼が来ます。

餅は餅屋なので自分がプロマネとして参画することはほぼなく(プロジェクト内プロジェクトでたまにあるくらいです。)、プロマネさんが進めていく中で、法務っぽい仕事を振られたり、動きを見ながら自分から懸念点を出していくのがお仕事です。

Facebookのmessengerグループかslackのワークスペースのどちらかが立ち上がります(LINEグループでプロジェクトが進んだことも数回ありますがなんとなくやりにくかったです。誤爆こわいし。)。プロジェクトが進んでいく様子を見ていくのは、法務だけを仕事にしている人からするととても勉強になると思います。盗むべきことがたくさんあります。

実戦でしか人は成長できないので、実戦に投入していきます。よろしくお願いします。

Law On Demad

完全に脱線しますが、プロジェクトの話をここでもうちょい広げます。うちではLaw On Demandというサービス名でやっています(六本木一丁目の某社でインハウスをしていた時期に閃いた名称です)。

プロジェクトに入ると、まず「法律にだけ詳しい人」の価値のあまりのなさにビビります。価値はあるとしても、「実働領域の狭さ」を感じるはずです。プロジェクト内で「貢献できる領域の狭さ」につらくなるはずです。逆にいえば、自分以外の人たち、マーケであれ、お金引っ張ってくる人であれ、他の役割の人たちの実働領域の幅広さ・拡張性や、業界知識(ヒト・モノ・商流などの知識や理解)の深さを感じるはずです。これに追いつくことが初期の命題になるはずです。

業界知識大切です。キーとなる人、企業、サービスについて知っていないと当然「なんでお前いるの?」という目で見られる(気がしてしまう)はずです。本気で調べたり会いにいったりする必要があります。というわけで、なんというか、業界を絞らないとやっていけないわけです。ということで、「譲れない領域をもつ」という話になります(選択肢を増やすとの両立を図るのがキーですがここは別途)。

法務マターでめちゃくちゃ卑近な例でいえば、打合せをしていると、例えば「ZOZOの後払い」の話とか「LINEの宝箱の鍵」の話なんかが出てくるわけです。そういったときに、割賦販売法の論点とか資金決済法のノーアクションレターの話とか、そういうことがちゃんと共通知識として出てくる必要があるわけです。ですよね。その感じです。

ある程度、業務の領域を絞らないと、そもそもなかなかお呼ばれもしませんし、実戦に投入されても楽しめないことになります。いまはスポーツ、エンタメ、アパレルが多いですうちは。

世界は広い

などと言っておりますが、一意見です。小さい世界にこもらないようにしましょう。

常に様々な状況にある人とコミュニケーションをとり、自分のいる環境や自分のポジション・行動が社会的にはどのような価値として位置付けられるかを考えることが必要です。そのためにも、複数のアカウントを持って、複数のコミュニティに所属することが必要かなと思います。

私自身もいつもよく人に会いに行きます。多様な時期に仲良くなった多様な職種の友人に会い、自分のビジネスが社会的にどのように位置付けられるかを常にチェックしています。目の前の実務で不安なときには同業者にも会いますし、すぐに連絡をとります(相談のためのslackグループも持っています)。ちなみに日常業務での私からのクオリティ管理も、資料や雛形や過去事例の検討メモをささっと横から投げる形で入ることが多いです。

やはり人に聞いた方が早いことはいくらでもあり、すぐに聞いてしまうべきことか自分で検討すべきことかの判断のセンスが大事になるかもしれません。そして自分自身もできる限りキャラを立てて、どういうときなら頼ってもらって大丈夫かをなんとなく示しながら生きていくのが良いと思います。

最近これに加えて思うのは、継続的に接している友人たちは過去の私を知っているので、自分を見失わないこともできます。そんなようにして、常に自分の現在地を確かめながら生きてきました。これ大事かもしれません。

サイコロを振って祈るのではなく、仮説を立てて行動して、振り返りの検証をサボらないようにする。検証にはできるだけ自分以外の目線を入れる。そうしていれば、毎日少しでも進んでいることが分かり、心の平穏にも役立ちます。むりをしないにつながります。

あとは覚悟。あーもう何度も何度も話が飛びますね。覚悟を持つことが何を意味するかは、ブチャラティが命懸けで教えてくれるのでジョジョの5部を読むのが良いかもしれません。ただし、覚悟を持つと、手持ちの大きな仮説の検証を一旦停止することにもなり得ます。いったんどこかに飛び込むと、手持ちの大きな仮説を疑うことができなくなる場合があります。そうならないためにも、自分個人の戦略を持って、あくまでも他人ではなく自分という箱を育てていくんだことを忘れないでください。命はめちゃくちゃ短いので、自分のやりたいこと以外のことをやる理由も時間もありません。

だなんて偉そうに。

2018年の恵比寿

2018年の仕事道具

MacBook Pro(13インチ 2016)

Magic Mouse 2 

iPad Pro 12.9 (2018)

BenQ モニター EW277HDR(27インチ)

・iLoud Micro Monitor

・LG PH450UG 超短焦点LEDプロジェクター

Fender Japan ST57-65L Lefty

・Momose MSP-LTD/E-Lefty (Cherry Red)

・Psychederhythm Standard-T Lefty

・有料利用サブスク:G Suite、Slack、MFクラウド

 

メモ:ガジェットについて購入前の調査はめちゃくちゃします(ベストガジェット系の記事は好きです。)が、特にこだわりはありません。スペックの些細な違いを気にする暇があったら頭や手を動かしたいです。Magic Mouse 2は週一で往訪しているスタートアップの社員さん数名が使っているのを見て、かわいさに惹かれ、つい購入してしまいました。しかしトラックパッドで操作することの方が多いです。つまりMacBook Proさえあれば良いのでは説(BenQのモニターはおすすめ)。

 

2018年にやったこと・経験したこと

・前半は主にDMMグループ全体を統括する法務部門(株式会社DGホールディングス)にいました。この会社の動きに深い関心があったことと、もともとサッカーのお仕事でご一緒していた方がフットボール事業部の立ち上げに関わられたことなどが理由でした。

・後半は法務部の受託業務を主たるサービスとするfork law officeを立ち上げました。月額課金制で担当事業部の全契約書を見たり新規事業・新規施策の立ち上げなどのお手伝いをするお仕事です。語りたいことは2万字くらいあるのでこの辺で。

・大好きなサッカーのお仕事が増えました。サッカーとeスポーツのお仕事が交差するeJ.LEAGUEに紛れ込めたのも最高でした(JFAハウスに初めて潜入しました)。鹿島がACL優勝しました。

・提携する素敵な弁護士さんが増えてきて幸せです。事務所内の弁護士さんの採用には挫折しかけていますが、スーパー事務スタッフさんに出会えました(来年4月から正社員雇用予定)。

・ライヴやフェスには相変わらず多く行きました。今年初めてライヴを体験できて心の「毎回行くぜリスト」に追加されたのはBiSH。アイドルのライブに初めて参加したのですが、生バンドということもあったのかアイドル要素は感じませんでした。

テレキャスを購入しました。良い音。

・自分の人生で最もプライベートが充実していました。人生観が変わりました。稼ぐお仕事(得意なこと)と楽しいお仕事(やりたいこと)のバランスが取れた一年でした。

メモ:さすがにもっとなんかあるやろと思うので後で修正追記します。

ヒント

思えば、常に周囲の様々な人からヒントをもらってきた。そのヒントたちによりなんとか生かされてきた。運よく。

自分がヒントを出す役割を担う瞬間が、少しでも増えるといいと、最近とても思う。例えばこれからの生き方だなんて長々と書いたけれど、それは要するに、ヒントを交換し合ってみんなで自分の身の回りを改善しようというコンセプト(卒業生たちに、会いたいなぁ)。

そこではだれも手柄やお金を欲しがらない。そうかこれは自分好みのコンセプトだったのか。と最近ふと気が付いた。

家族や友人が徹底して与えてくれているヒントがある。「優しさ」(ユーモアなんかもこれに含まれる)こそが、最も得がたくて価値があるということ。そして優しさを手にし続けるためには、善人たろうと無理する必要はないということ。自分の根底にあるものを変える必要なんてないということ。歪なポジションを取る必要もないということ。必要なのはただただ知性(好奇心なんかもこれに含まれる)であるということ。それは能力というより、生きる態度に関わるものであるということ。命に対する態度であるということ。

チャットモンチーが、足を引っぱらずに手を引っぱってと歌っていた。少しでも開かれた安らかな場所にいきたい。これが吉良吉影の心境だとしても。

Lounge Act

POLTAのライヴがとてもよかった。生と死の間にある10年間について考えさせられた。

高校の卒アルに「死なないために食べる食事なら要らない」と書いたことを先日ふと思い出しました。命はとても短いから。「意味がない」と感じる場があると、いまだにそこを静かに堂々と離れます。とにかく楽しみたい。成長したい。世界を更新したい。それだけ。

これからの働き方

専門学校の教え子の方たちのことをふと思い出しました。自分の役割はとても小さかっただろうけれど、うまく人生を歩んでほしいなあと思いつつ、この3月で社会に出ると思われる彼らのことを考えていました。そして隙あらば自分語りおじさん。

 

ゆるやかな連帯

「ゆるやかな連帯」というのがキーワードになる。と、昨今のあの人やその人は言ったし私も言いました。各自が自分の専門領域を持って、ゆるい連帯の中で暮らしていく。学校というコミュニティもきっとそうだったと思います。各自になんとなくの役割があって、どうやったら生活が楽しくなるか、快適になるかを試行錯誤したはずです。

社会に出ても同様です。「ゆるやかな連帯」の中でこれからも生きてきます。

「ゆるやかな連帯」の中で、①単に情報交換をするだけでも効果は抜群です。巨人の肩に乗ることで人類は進歩してきました(ピンと来ない方は「車輪の再発明」でググってください)。もう少し踏み込んで、②集まり合ってチームを組成して、スキルを分け合いながらそれぞれのやるべきことをやっていく。となればそれはもう。

生きるに当たってルールはないので、困ったら誰かを頼って、チームとして動けばいいんですよ。これはもう本当に。まったく別の仕事をしていても。遠くにいても。定期的に相談したり情報交換すればそれはチームです。

ただのお題目ではなく、ガチで「所有」から「シェア」へと世界は更新されています。モノ(UberAirbnb)だけでなく、ヒトの時間もシェアされ続けています(というか、学校も仕事も飲み会も、何もかもが限られた命から捻出する「時間」のシェアです。)。楽に快適に生きるために、限られたリソースの中、「何をどう使うか」「自分を社会のどこに置くか」の意思決定のうまさが求められる世の中になります。

そしてこの傾向は加速します。世界はこの先、人工知能が、「正解のある業務(雑務)」を次々に引き受けてくれるかもしれません。そうでなくとも、人を雇えば「雑務」は消えます。手持ちのリソースは限られています。なにをすればいいか分からないときは、まずは雑務を消すことから始めるとよいと思います。消していって、それでも残ったものが自分のやるべきことです。

 

他者と生きる(生きざるをえない)、せっかくなら楽しくゆるく、できるだけ楽をして

人工知能を待たずとも、人を雇えば「雑務」「自分自身がやらなくても良い仕事」が消えます。お金で時間はある程度買えます。自分のやりたいことに時間を使うためには、やはりお金の稼ぎ方も覚える必要があるかもしれません。限りある命の中で、私たちがやらねばならないのは、正解のない問題、自分の問題や世の中の問題をどう解決していくか、という点に尽きます。

と書くと意識高く思うかもしれませんが、「どうやったら自分や周囲の人たちが、より楽に、快適に、楽しく生きられるか」というのを追求することに尽きる、ということです。

個の時代、ゆるやかな連帯の時代。そうであれば、自分が持つ「情報」は何か「スキル」は何かと考える必要があります。人から頼られないとつまらないですし、何かを快適にすることもできません。お金からも遠くなってしまいます。時間を無為に失いやすくなってしまいます。

ヒントは常に「相手を助けたい」です。これから入れば、自然と自分を省みることができます。「モテたい」でも同じです。心から「モテたい」と求めれば、自分が持つ「情報」は何か「スキル」は何かを真剣に考え始めるはずです。「相手を助けたい」という気持ちは万能です。

(今はピンと来なくてもいつか気がつきます。「相手を助けたい」と心から思えれば、お金も稼ぎやすくなります。お金のことを考えるのは個人的には好きでないです。好きでない人は多いと思います。お金のことなんて考えなくていいくらいにお金を稼ぐというのは大事です。ピンとこなければ、まずは「助けたいと思える相手」を探すのが良いかもしれません)。

まったく異なる背景を持ち、まったく異なる仕事をしている人たちが世の中にはいて。彼らと仲良くなると世界は広がります。こういった経験はレアでないです。②の状態は、出会って弾けた広がりに似ているかもしれません(小沢健二さんは2017年にして様々なコラボを見せてくれました。熱情がはねっかえる)。

年々「餅は餅屋だなぁ」と思うタイミングが増えている33歳。餅は餅屋と呟いた陰獣は旅団に負けました。個の時代、ゆるやかな連帯の時代であれば、「人を見極める能力」もより一層、重要です。人を見限る決断もきっと重要です。そうしないと旅団に陰獣をぶつけてしまいかねません。

(唐突に小沢健二とか、ハンターハンターとか、今の若者にはひょっとしたら謎の言葉が紛れることはよくあります。何がどこで役に立つかは本当にわかりません。色々なことに興味をもっておくと人生はかなり楽しくなりますし、楽になります。)

 

自分が何屋かを把握する

「自分が何屋さんであるかを言語化する能力」や、「目の前の他者が何屋さんであるかを識別する能力」は、個の時代ではより一層重要になります。私がすでに陳腐化され尽くしている旧来の「弁護士屋さん」であれば今のような多くの選択肢を手にすることはできませんでした。専門学校で何かを教えることも多分なかったと思います。

自分が何屋さんかになれたのは、まだ弁護士になる前の20代の後半だったように思います。遅かったです。

意図を持って意思決定し続ければ、自然と自分の領域はできあがっています。何屋であるにせよ、意図を持った意思決定を続ければ何かしらの領域を手にできます。この確信が得られたのは33歳のいまになってかもしれません。今なら言えます。ちゃんと意図を持って行動し続ければ、自分の領域を手にできます。実は、人間の能力にあまり差はないと思っています。どれだけ真剣に生きているか、どういう癖をつけて生きてきたか、が全てを決します。

美味しいラーメン屋さんを知っているとか、そういうところから始めてみても良いかもしれません。ちなみに昨年末の私の家庭内目標は「平日夜デートをする」「料理のレパートリーを増やす」でした。家庭内料理屋さんや平日夜デート屋さんになるにはまだ時間がかかりそうです。とにかく、自分が持つ「情報」は何か「スキル」は何かと考える必要があります。

 

ゆるい連帯で情報交換をする

人類の進歩の基本は、巨人の肩に乗ることです。車輪を再発明しても意味がありません。誰かから「情報」を得たり「スキル」を分けてもらえば、その誰かの肩に乗って、より高いところに、遠いところにいけます。自分のなすべきことに対するヒントをもらうためのコミュニティがあると素敵です。ゆるい連帯をゆるゆる伸ばしていくと楽しいです。困った時の解決策が豊富になり楽になります。

例えば弁護士も情報交換は大事です。そのために大学やロースクールや司法修習があったのでは、と思うくらいに。当然、守秘義務の範囲内ではあるものの、条文・判例、業界の慣習、監督官庁の考え方といった貴重で本質的な情報を日々交換し合っています(そしてこれらの情報は絶対に本には載っていません)。

こういう案件が来たらこの人にLINE飛ばそう。という相手が何人かいると心強いです。私でいえば、法律がらみだと、個人情報保護や芸能案件だとLINEが来ます。その他にはゲーム大会の業界事情やら、サッカーのアンダー世代の情報交換などに呼ばれたりします(特にサッカーは嬉しい。ゲームの領域は正直自分の本質とは少し遠いです。)。

LINEが届いてはじめて「俺は××屋さんでもあったのか」と気づくことがあります。むしろ第三者の目を通してはじめて自分が何屋かを知るのかもしれません。

なんであれ「現場」にいるのが大事です。自分がどういう「現場」をもっているかは、即ち自分が何屋さんかという問いに直結しそうです。例えば私の2017年の現場は、サッカー界隈と法律家界隈でとある役割を果たすことでした。今年はまた少し違います。遠くても「助けたい」という気持ちが「お互いに」あれば、きっと何かしら一緒にできます。

 

ゆるい連帯でスキルを分け合う

解決すべき課題ごとにチームを組成して、集まって離れてを繰り返していく。最近は、こういう形でしかできない問題解決がありそうだなと気付きつつあります。

中心があって、誰かが手を引いて人を集める世界観とはまったく異なります(「誰かが弁護士同士のチーム組成の舵取りをしたらおもしろい。ランサーズ的な。しかし弁護士法等から中心にお金を落とすのが難しい。マネタイズは難しい云々…」というのはまったく的外れの古い世界観です。)。

各々が各々の目的のために集まって、そして散らばっていく。幻影旅団ですね。中心で「手柄」を欲しがったり「お金」を欲しがったりする人がいると、良い仕事はできません。旅団的やり方でしか解決できない本質的な課題は、いくらでも世の中や自分の中に残っています。

旅団では、経歴も肩書きも所属組織名も無意味です。これは本当に無意味です。裸の自分たちで牙を研ぐ必要があります。「肩書きはわかった。で、お前は今ここで何ができるの?」と問われます。現場に出ると何も頼れません。個の能力はすぐにバレます。

苦い経験もありました。

とあるサッカー代理人に「世界最強のクラブをつくってみて。はい今から11人挙げて」と問われ挙げると、「××にするのは何故?○○を入れた方が良くない?隣のポジションの△△とチームメイトだし。選手同士の相互理解は考えた?」などの問答を受け、すぐに各配置のロジックを組むことができず悔しい思いをしたことがあります。

現場の情報を知り仕事として向き合うことと、外から趣味で見渡していることとの本質的な差は深いです。世の中は、責任を負わないとわからないことだらけです。

 

とかなんとか言いながら隙あらば自分語り

自分に物足りなくなってしまい、私は来月からとある組織に所属してみることにしました。日々の世の中の動向をみながら、「ここなら働いてみたいなぁ」と漠然と思っていた唯一の組織にお邪魔できるのは本当に運が良かったです。

野良で弁護士をしながら稼いだ情報やスキルセットとの相性も良さそうです。どの程度の期間そこにいるかはまったくの不透明ですが、忠誠を尽くします。

六本木おじさんになりますが、恵比寿の法律事務所の方も引き続き私が持っています。責任も負っています。直接関与できる案件は増えませんが、事務所としては拡大していくと良いのではないかと思っています(そして私の口座も相変わらず膨らみます)。

「万全の状態」を待ってたら永遠に動けない。という訓示が好きです。

 

…書き下してみたものの、多分これを整えて量を半分くらいにしたら良い文章になりそうですが時間がないのでさようなら。モンハンやります。

定義をめぐる冒険

定義をめぐる争い。人類の歴史の中、時代や場所を問わずあらゆるステージで発生し続けた。最も有名で根深い抗争はやはり「ヒップホップ」だろうか。「ラップという手法を使えばヒップホップか。いやお前のそれはヒップホップじゃない。」「イナタイビートに乗せて韻を踏むのがヒップホップか。そんなオールドスクールはもはやヒップホップではない。」そうやって自己表現の文化とともに定義を主張し合い、北米では東海岸と西海岸の争いが加熱した(「池袋ウエストゲートパーク」のドラマはそれをうまく模し、まさかの池袋の東口と西口で抗争を生じさせた)。やがて死者も出た。この争いは未だに続き、フリースタイルダンジョンでも「お前のそれはヒップホップじゃない」という指摘はよく見られる。彼らにとってヒップホップとは生き方それ自体を指す言葉なのでヒートアップするのも無理はない。そして人類の歴史の中、あるときは「フットボール」さえも定義をめぐる争いの場になった。世界最強チームのコンダクターとそのチームメイトがフットボールを定義した。彼や彼を支持する者たちは、その「フットボール」の定義から外れるものを「アンチフットボール」と罵った。最近でいえば「esports」や「プロゲーマー」も同様だろう。「スマートコントラクト」や「リーガルテック」も同様のようだ(最近発売された「リーガルテック」と題された書籍のコレジャナイ感を表明する同業者の多さたるや。私も同感です)。

生き方それ自体を指す言葉であればその定義について大きく意見・反発が出ることは当然だろう。ひとつ願うことがあるとすれば、不毛な時間が減ることだけ。「主張」とは、「事実」に「ロジック」や「価値観」を適用して引き出された「評価」である。まずは前提とする「事実」の認定には注意を払うべきだ。しかしこの「事実」の部分は厄介だ。誰も神の目線など持っちゃいない。専門領域の難しさもあるだろう。そんなわけで前提「事実」に誤りが混入することは往々にしてある(陰謀論や疑心暗鬼で歪められたのではないとしても)。「事実」が現実と本質的な部分で異なれば、これに対する「評価」をいくら叫ぼうと聞く耳を持っちゃくれないだろう。これは誰にとっても意味がない。だとすれば、主張をする前にまずは動き回って「事実」に関する情報を集めるべきだろう。「目的」の段階で食い違っているのか、手持ちの「ロジック」や「価値観」が異なるため採るべきと考える「手段」が食い違うにすぎないのか。

そして「現場」にある「価値観」は大切にしてほしい。私の経験でいえば、私自身も10数年前、池袋西口公園サイファーでヒップホップの定義について争う中にいた(「聞いたぞこいつ東大生。勘違いラッパー超ダセエ。」という2億回くらいされたひねりのない踏み方をされた末に、互いにパクられる覚悟とボコボコにされる覚悟でまったく知らん人らと喧嘩をすることもあった)。実感として感じるのは、少なくともヒップホップでは「現場」「当事者」の持つ力は極めて大きかった。結局、当時「現場」にいた彼らが今も中心にいて、何がヒップホップであるかをヘッズたちに示し続けている。シャビの言葉が世界全体に対する力を持ったのも「現場」にいる超一流選手だったからだ。「現場」にいる当事者として「価値観」を表明することは役割を果たす。その部分こそが彼らの特権。「事実」について的確に把握できていなさそうなとき、まずは単に物差したる「価値観」のみ表明するのも有効だ。

そして欲を言えば、「主張」すべく、気になる情報を自ら集めにいったらいいような。もし何も気にならないなら「お前の定義はわかったよ。でも俺には俺の定義があるから」と「価値観」のみを表明し続けるのがいいのではないか。自分ならそうする。ああでも自分はできる限り自身も世界も更新していきたいなぁ。耳専門の広告モデルと北海道へ。そして冒険を楽しもう。一気に書き下ろしたのであとで修正しよう。。

スポーツビジネス

今日も10年前の自分に伝えたいような内容でblog。三浦知良選手に憧れてサッカーを始めた自分からすると岡田武史さんには様々な思いを抱かざるを得ないものの。現状ますます非常に重要な役割を果たさんとしている方なのでいつも興味深く見ている。彼の記事で「日本ではスポーツがビジネスになっていない。タニマチ探しになっている」という言葉があって、ああこれだこれだと思った。きちんとビジネスをすることは、タニマチ探しをするよりよほど良いはず。手を抜いたりしてはいけないなと。関連してしばしば見かけるのは、スポンサーくださいスポンサーくださいといいながらその対価を示せないデジタルスポーツ選手。欲しがるならまず己の価値を自ら示さないと。誰もがそうやって生きているんだから。努力の才能があるとしても方向性をちゃんと考えないと勿体ない。とはいえこれは受け取る側の問題ではなく与える側と受け取る側の関係性の問題。なんにせよビジネスは大変。他人と関わるのは大変それはもちろん。他人と何かをしたいなら、仕組みを考えて動かさないと難しい。そして自分を統制するのも難しいそれはもちろん。個人としての振る舞いも、戦略を立てないとサイコロを振るのと同じ。というのは昨日も書いたような。これに関連して「結果が予想の範囲内なら動じない」というのも本質的。これは岩政さんと小宮山悟さんの対談における小宮山氏の言葉。よくうちの弁護士に「この応答(結果)は予想できましたよね。こうなったらどうしようと思っていました?ではそれを粛々とやってください」を優しく砕いて伝える。事前の戦略がハリボテだと慌ててしまって生産性が落ちてしまう。お金かぁ。私自身もお金の話はあまりしたくない。いま自分が「お金」に対して離れるような振る舞いができているのも余裕があるからに他ならない。お金から離れるには稼ぐのが手っ取り早い。同じように確かなこととして「お金」も「人」も自分から近付こうとするのではなく寄るのを待つ方が絶対に良い。目の前の仕事を頑張れば勝手に寄ってくる。自分が何をしたいかを見極めてそれに専念した方が良いなと。当たり前のことなんだけども。「接していて気持ち良い人間たれ」という素朴でfatalなtips。これに尽きる。ただこれも他人に押し付けるようになったら終わり。二日連続のblog更新。またタイトルと中身が関係ないや。マシマロ。

 

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