偶然の恵比寿

恵比寿の弁護士 藥師神 豪祐のブログ

確信の行方

・見抜いた。

・気付いた。

・自分だけが事の重大性に気づいている。

・自分が正義の側にある。

・…などという確信を持ってしまうと、人は手持ちの事実を疑わなくなる。

・これ、なんでだろう。ずっとこれを見てきた人生だった気がする。

・そろそろ止めねえかなそれ…

 

ソクラテスが対話を始めても…

・ファイヤアーベントは三人目まで連れてきても…

マルクスが「跳躍」を感じたのは万物のうちで貨幣だけだったとしても…

・ロカンタンが嘔吐しても…

・「見抜いた」や「気付いた」は世界にある

「忙しい」

SNS等で「忙しい」と発言する人はなぜか無能に見える問題。

・あれって何だろう。という話になった。

 

・高収入かつ激務と思われる人たちは不思議と忙しさについての愚痴は言わない。

・そういう人たちも、飲み会等で周囲が尋ねると、めっちゃ言う。

・「忙しさが収入と釣り合っていたら敢えて口には出さないんじゃないか説」。

・持てる者のアノソレ。マイナスを撒き散らさない説。

 

・なんであれ。

・忙しさに言及しそうになった際にはグッと呑んで何かを考える必要がありそう。

 

人間万事塞翁が馬

・これの意味について深く考えたことはなかった。

 

・負けから得られるものはある。

・と、岡田武史氏が当該故事を摘示しつつテレビで語っていた。

 

・ミスから得られるものがある。

・シンプルに、①足りないものを把握する、②それを埋める。

・これを意識するかで人生ぜんぜん変わるな。と思いながらこれまで生きてきた。

・とすると、自分の座右の銘として紹介すべきなのは「人間万事塞翁が馬」なのかもしれない。

 

・大失敗しないために小失敗しておく。みたいな言い方がされることもよくある。

・もっと陳腐な言い回しになると、「事業が成功するかはいかにPDCAを回していくかで決まる」。

・VCの方が経営者に対し、「能力よりも情熱の方を見てるかも」と言っているのも最近たまに耳にする。内心は不知。

・自分の実感としても「仮説・検証を回し続ければほとんどのことはなんとかなるな」と、今のところは思えている。

 

・とすると。

有限のパン

・当たり前体操。

・生活も貨幣も言語も「関係」の中でのみ成立。

・生じた問題は、「私」ではなく「私たち」の問題として解消せざるを得ない。ことの方が多い。

 

・小さな世界の王様になろうとも、そこには米もないし人もいない。

 

・問題の根源の多くが「有限」にあることは素朴に分かる。

・経済学の教科書の2ページ目に書いてある表現でいえば「稀少性」。

・時間、お金、心の余裕。

・酸素のように、無限にみなせるものは少ない。

・酸素といえども閉ざされたエレベータの中では前景する。

 

・「有限」は、「配分」や「交換」を要求する。

・自分の手札と他人の手札。

 

・食べたパンの数のように埋めてしまったもの。ただ見えなくしたにすぎないもの。

エントロピー体操。

・「みなし無限」と「有限」はゼロ距離。

 

・とはいえ、開くことを信じてエレベータに乗るほかない場合もある。