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偶然の恵比寿

恵比寿の弁護士 藥師神 豪祐のブログ

サッカー仲介人になるには

Jリーグ選手の仲介人になるには

・仲介人とは何か。FIFAの決定に基づき平成27年3月末にこれまであった「選手エージェント制度」が廃止され、翌月から新たな制度「仲介人制度」が導入された。ライセンスを受けるのではなく登録型の制度に切り替わった。事前規制型から事後調整型の司法制度改革のようですね。違うか。

・私は年初に祈りました。仲介人になりたい。どうするか。いつでも問題を解消するのは「人」。ということで、アカデミーなどの運営をしている方につないで頂きました。すぐに見つかりました。業界は狭い。そして念願の仲介人とご対面。

・ちなみに私は、テニスで有名なIMGアカデミーの設立のキッカケが、「マコーマックさんという弁護士が友達のプロゴルファーの移籍を手伝った」という話が大好き。お会いした仲介人から聞いたエピソードはとても似ていた。最初は友人を移籍させたのがきっかけだったそうだ。人生をつくるのも「人」だ。ああ。

・①仲介人をやっている組織に入る。②二人か三人でチームを組んで仲介人をやるチームをつくる。③個人でやる。という形になっているそうだ。まあそれ以外ないよね。ということが分かったのでチームに入れて頂くことに。チームでやっているところは一人だけが仲介人登録しているというパターンが多い。そんなわけで正確には、ここで私が話をしたのはJFAに登録されている仲介人ではない。

・それからは仲介人お仕事の関係で色々な方に出会える。もうそれは系を見抜けないカオスに達しました。

・新規選手の発掘。ここが出来るといいのだがリソースが足りていない。方法は簡単。①選手と契約する。②クラブから電話がかかってくるのを待つ。新規の開拓はこんな過程。クラブが選手に「代理人ついてる?」と聞く。そして電話がかかってくる。それとあとはもうあれだ。なんであれWyscoutという魔法の言葉で検索。

 

■サッカー選手と契約

・クラブと選手は、日本サッカー協会選手契約書をベースに契約を結ぶ。整理すべき権利は大きく二つある。一つは、チームの選手として登録する権利。もう一つは、経済的な権利(肖像権や移籍金を獲得する権利)。
・選手の肖像権に関しては、Jリーグ規約と選手契約書に規定がある。包括的使用はJリーグに、それ以外での特定の選手の肖像を利用した商品化についてはクラブが権利を保有する。という整理がなされている(ちなみにプロ野球では、かつては球団が肖像権を握っていたが、肖像権の包括的使用については選手会が管理するようになった。だったと思う)。

・契約期間は3年か1年が多い。3年契約の場合もシーズンが終わった段階で契約を結び直したりする。この辺りはタレントさんやアイドルさんと同じような契約になっている。肖像権の価値を高めることを目指す個人事業主、という整理もできそう。まあ意味はないか。なんであろうとどこで戦っていようと、自分自身と闘っている人が美しい。競技面で肖像権の価値が高まっていくということになるので、ヌルヌルはしていない。お金は評価として後からついてくる。それだけは間違いない。どんな仕事でもそう。

・選手とクラブの契約は、ベースを抑えれば、特約はそこそこ柔軟に。海外移籍を目指す選手は、移籍金設定を国内移籍と海外移籍で別の定めをすることも当然にある。契約時に定めた出場率に達しなかった場合に移籍を拒めない条項や、2部に落ちたら移籍を認めるなどの条項をつけることもある。私が別の仕事でやっているeスポーツチームと選手の契約や、アイドル運営事業者さんとアイドルさんとの契約書もこんな感じでやっている。意外とシナジーある。セカンドキャリア開拓のヒントになると勝手に思い込んでいる。他の個人競技のプロスポーツ選手の方々との仕事も当然示唆に富み富み。

 

■移籍金、クラブの経営難

・07年のリーマンショックの後あたりから、FFP構想というものが始まった。経営難に陥るクラブが増えたので財政基盤をちゃんとしようねという構想(ちなみにJリーグクラブライセンス制度には、顧問弁護士がいるとなお良し、みたいな規定もあります。チラッ)。オーナーが赤字補填をするのを制限するというもの。導入後、4、5年で赤字を10億ユーロ以上圧縮している。やったね。

FFP構想のデメリットとして、PSGやシティのような革新が起きなくなってしまうという点がある。そこで、15年に少しテコ入れがされた。投資計画と収支の見通しやそれに付随する諸々(つまりはビジネスプランですね)を提出して、そのプランがマトモであれば、それを守っている限り短期的な赤字は許す、という例外が設けられた。たぶん。
FIFAは移籍の流動化も目指した。以前の制度では、契約満了後の選手の移籍でも移籍金が発生していた。09年11月からは、契約満了後の選手は、フリートランスファーできるようになった。移籍の流動化は進んだ。が、弊害も。どこにも辿り着けない選手が増えたり、移籍金の生じる国内移籍は減った。フリーの選手の情報が価値を持つようになった。と言われている。中東やMLSといった選択肢が増え、サッカー後進国のレベルが上がったり、選手寿命が延びているのは素敵なことかもしれない。

・まあ、なんであれ清濁の清だけは取り出せません。何事もキーワードは①全体最適と②持続性なんじゃないかと思っています。どんな企業活動も同じで、顧客、株主価値、従業員の士気、それぞれを…。あちらを立てればこちらが…を解消する。大学でゲーム理論を専攻していたのがここに来て少し示唆を。

・移籍金については、スペインやポルトガルでは、選手獲得における投資ファンド利用がブームになった。クラブとファンドが移籍金を出し合って高額な選手を獲得し、当該選手を売却した時の売却益を分け合う。普通にいわゆるファンドによる投資ですね。まさに商品化され市場は活性化しました。しかし、残高が増えるのは代理人やファンドという第三者。業界やクラブに落ちない。なので、共同保有は禁止された。みたいな話も。ただし、このファンド利用によってスペインは2強から3強になれたよね。とも言われている(ちなみに投資ファンドが絡まなくなったかというとそんなことはなく、選手獲得時の貸付からのゴニョゴニョという形になったとか)。何事も清濁アリ。

・みたいなこともあって、FIFAは選手移籍の際の代理人の取り分を公表させるようになった。そんなわけでJリーグについても公表されている(これを見ると「どの選手に仲介人がついているか」が分かるので、大変貴重で本質的な資料になっている)。もうこれどこが話の本筋か分からないな…。

 

■なんにせよ試行錯誤

J3が生まれたのも、12年にJ2とJFL入れ替え戦を初めてやって(J2が22チームになったらやるという制度になっていた)、負けてJ2から降格したチームがJリーグ退会となったのがキッカケだった。よく仕事でもうちの弁護士に言ったりするのですが、「予測できたマイナスにうろたえるのは明らかにおかしい。ああなるほど、こっちのルートにいったか。というだけの話。当初の方針を貫くだけですよね。最初にこの決断をした時に、どういう心算だったの?」という話ですね。そうですね。当初の見通しがなかったら困りますね。

・「取り止めなし、結論なし」という世界そのもの。命そのもののようなブログになりました。さようなら。